
ある春の日、みあのクラスに新しいお友だちがやってきました。
「みんな、新しいお友だちを紹介します。エミリーさんです。」
先生がそう言って前に連れてきたのは、金色の髪の女の子。にっこり笑って「Hello!」と言いました。
「え? ハロー?」
みあは、るかの顔を見ました。るかもきょとんとしています。
休み時間。みあとるかは、さっそくエミリーに話しかけに行きました。
「こんにちは! わたし、みあ!」
「わたしは、るか! よろしくね!」
でも、エミリーは首をかしげて、困った顔をしました。
「Sorry, I don’t understand…」
「え? いま、なんて言ったの?」
るかが小声で聞きました。
「英語だった……と思う。」みあはつぶやきました。
「じゃあ、日本語がわからないの?」
るかの目がまんまるになりました。
「……でも、友だちになりたいよね。」
「うん! なんとかなるよ!」
みあとるかは、絵をかいたり、ジェスチャーをつかったりして、エミリーと話そうとがんばりました。
すると、エミリーも笑って、絵をかいてくれたり、「Apple!」「Cat!」と英語を教えてくれたりしました。
言葉はちがっても、少しずつ気持ちが通じてきます。
そして、ある日、みあが言いました。
「エミリー、トモダチ!」
エミリーはうれしそうににっこり笑って、こう言いました。
「Yes! Tomodachi!」
その日から、教室には、日本語と英語のふしぎな会話がとびかうようになりました。
みあ、るか、そしてエミリーの三人の毎日は、ちょっぴりにぎやかで、とても楽しいものになったのでした。

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